
「そろそろ子供が欲しい…」
でもなかなか妊娠しなくて、
少し焦り始めている。
不妊治療クリニックで
診察や検査を受けるのは、
恥ずかしさや経済的負担もあるし…
そんな不安や悩みを抱える
妊活初心者のカップルへ、自宅で、
ふたりで始める妊活をサポート。
愛に溢れたアイデアを形にした妊活商品や、
お役立ち情報を発信します。
妊活を始めるふたりが世界で一番リラックスできる場所、自宅での妊活がとても大切です。今、自宅でできる妊活にはタイミング法、妊娠検査、排卵日検査、精液検査、葉酸などの栄養素摂取があります。私たちは、自宅での自然な妊娠を応援するため、今までとは異なる新たな妊活をご提案します。
私たちは「自宅でできる、ふたりではじめる妊活」をコンセプトに、妊活を始めたふたりにとって”使いやすいこと”、”買いやすいこと”、そして”自分でできること”に拘りました。自宅で手軽にためせる妊活商品や妊活情報をご紹介します。
妊活中だからといって、ふたりのセックスやからだのこと、妊活への取り組み方など、他の人には知られたくないプライベートなことは沢山あります。私たちは、ふたりのプライバシーが守られ、安心して妊活できる環境が自然な妊娠にとってとても大切だと考えます。
妊活中の多くのカップルが、
自然なかたちでの妊娠や出産を望んでいます。
しかし、化学薬品にまみれた生活環境で暮らし、
日々強いストレスにさらされている私たちの体は、
妊娠準備が十分に整っているとは言えない状態です。
生活に“プレコンセプション・ヘルス”の考え方を取り入れて、
妊娠や出産に適した心と体を準備しましょう。
日本語には、「子を授かる」という表現があります。「授かる」には、神仏から大切なものを与えられるという意味があります。医学が未発達だった時代、妊娠は神仏にすがるしかありませんでした。今でも日本各地に妊娠や安産を祈願する神社仏閣や祭りが存在します。それらは妊娠や安産に対する祈りや感謝の気持ちを表しています。
妊娠に至る経緯は、私たちが想像する以上に複雑です。妊娠は、性交により射精された精子が子宮頚管を通過して卵管膨大部に移り、卵巣から卵管膨大部に移動できた卵子と出会い、受精し、そしてその受精卵が子宮内に着床することで成立します。そして、そこには非常に多くの条件があります。性交ができること、射精できること、健康で十分な量の精子があること、排卵があること、卵子が卵管に移動していること、卵管が開いていること、排卵から24時間以内に精子と出会うこと、受精卵が着床すること、受精卵が順調に育つことなど、必要な条件をすべて満たしたとき、妊娠・出産することができます。ひとつひとつの条件が悪くなれば、それだけ妊娠率は低下し、妊娠は難しくなります。
医療の進歩は人工授精や体外受精のような人が介在する妊娠を可能にしました。しかし、これらの技術も万能ではありません。妊娠を望む男女の心と体の状態は、人工授精や体外受精の成功率にも影響を及ぼします。妊活をスタートすると決めた日から、心や体の健康を取り戻し、妊娠しやすい環境を整えるよう心がけることが現代人にとって重要です。
プレコンセプション(preconception)は、pre(前の)とconception(妊娠)を合わせた言葉で、“妊娠前”を意味します。プレコンセプション・ヘルスの対象範囲は妊活中のカップルだけに留まらず、いずれ子どもを持ちたいと考えるすべての男女を含みます。プレコンセプション・ヘルスは、妊活の可能性があるすべてのカップルが取り入れるべきライフスタイルを提唱しています。
米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は、プレコンセプション・ヘルス(ケア)として男女がそれぞれ気を付けるべき10のポイントを公開しています。その内容を以下にまとめました。妊活中のカップルはもちろん、いずれ子どもを持ちたいと考える男女にとっても大切な内容です。今後の妊活の参考にしてみてください。
出展:米国疾病対策センター、プレコンセプション・ヘルス https://www.cdc.gov/preconception/index.html
妊娠や出産には多くの条件が存在します。すべての条件を満たさなければ妊娠に至ることはできません。妊娠のしにくさは、私たちの心や体の状態にも原因があります。生活にプレコンセプション・ヘルスの考え方を取り入れて、妊娠しやすい心と体の健康を準備しましょう。
(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)
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妊活とは、「妊娠のための活動」を略した造語です。
2011年には流行語にもなりました。
しかし、その活動の範囲はあいまいです。
病院で妊娠が確認されるまでを妊活と呼ぶ人もいれば、
出産までを含める人もいます。
パートナーとの認識の相違は、妊娠、出産、
さらに子育てへのかかわり方の違いとなって現れます。
「こんなはずではなかった」と後悔する前に、
勇気を出してふたりの将来を話し合い、
これから築いていく家庭像を共有しましょう。
バイエル製薬(株)が2017年に発表した「結婚を視野に入れた女性の妊活・妊娠に関する意識調査」によると、女性の約8割は結婚する前にパートナーに将来子どもを持つ意志があるか確認しています。しかし、子どもの人数、授かるタイミングといった将来の家庭像まで話し合ったカップルは全体の3割だけです。7割のカップルは、お互いが持っている家庭像を確認しないまま結婚しています。
参考文献: バイエル製薬株式会社. 結婚を視野に入れた女性の妊活・妊娠に関する意識調査:教育アンケート年鑑2017. 東京, 創育社, 2017, p.295-298.
パートナーに子どもを持ちたいという意思があっても、それは今でないかもしれません。教育や習い事に対する考え方が違えば、お金や時間の使い方も変わってきます。最初は小さな方向性の違いかもしれません。しかし時間の経過とともに、それが大きな問題に発展することもあります。
大切な決定をするとき、「パートナーは他人」と考えるべきです。たとえ夫婦であっても、ふたりが同じ考え方、感じ方をしているとは限りません。出産や子育ては、人生の中でも重大な決断の1つです。ですから、パートナーが出産や子育てについて自分と同じ意見を持っているという思い込みはやめましょう。
♥難しく考えず、何気ない会話から
パートナーに出産や子育ての話を切り出すとき、誰にも恥ずかしさや気まずさがあります。しかし勇気を出して、ふたりの将来について話してみましょう。話し合う目的は、これからふたりが築いていく家庭像を同じにし、共有することです。難しく考える必要はありません。例えば、以下のような質問からスタートしてみてください。メモを取りながら、ワクワクするふたりの未来を想像してみましょう。
♥子どもは何人欲しいか?
♥子どもは何年後に欲しいか?
♥子どもに習わせたいことはあるか?
♥どんな大人になって欲しいか?
♥どんな職業について欲しいか?
♥その頃の世帯収入はどのくらい欲しいか?
♥どこに住みたいか? など
ヒント話し合うときは、隣り合う形で座ります。対面した形で座るよりも話しやすくなります。
♥話し合った結果は「妊活マスタープラン」としてまとめよう
会話が進むにつれ、お互いが築きたいと思っている家庭のイメージが明らかになります。話し合いの中では、意見が一致する点も、一致しない点も出てきます。すぐに結論が出なくても、焦らずに納得できるまで話し合いましょう。内容がまとまったら、それを箇条書きのリストにします。リスト作りは手書きで行います。この手書きのリストがふたりの「妊活マスタープラン」、すなわち妊活のゴールになります。妊活マスタープランを作っておくことで、夫婦がひとつの目標に向かうことができます。特に男性にとっては出産や育児に関わる動機となり、モチベーションを保ちやすくなります。
♥秘訣は最初のプランにこだわりすぎないこと
妊活マスタープランの内容はいつでも変更できます。実際に妊活を始めてみると、それまで知らなかったことや予想もしていなかったことが起こります。例えば、病気の発見や不妊治療の選択です。家庭でも仕事でも、初めて作ったプランはうまくいかないものです。必要と感じたら、状況に合わせてプランをアップデートしましょう。ただし、ふたりで話し合うことをお忘れなく!
7割のカップルは、お互いが考える家庭像を確認しないまま結婚しています。出産や子育てについて話し合うことに、恥ずかしさや気まずさを感じるかもしれません。でも勇気を出して、ふたりの将来のことを話し合いましょう。
(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)
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子どもを望むカップルの多くが、
妊活の悩みを経験します。
妊娠できない焦りや不安、金銭的負担、
パートナーの協力が得られない孤独感など、
困難に直面したとき、解決策を考える上で
基本になるのが「妊活マスタープラン」です。
なぜ妊活マスタープランが必要なのか。
先ずはその重要性を理解しておきましょう。
中国で羅針盤が発明されるまでは、夜に方位を知る手がかりは北極星でした。北極星は地球の自転軸の延長上にあるので、いつも真北あって動きません。北極星を見つけることができれば、自分の目的地がどの方向にあるのかを知ることができました。
何かを成し遂げるには、目的が必要です。妊活の目的は、ふたりが理想とする家庭を実現することです。妊活トピックスでは、ふたりが理想とする家庭像のことを「妊活マスタープラン」と呼びます。妊活では、なかなか妊娠しない焦りや不安、金銭的な負担、孤独感など、予想もしなかった問題が起こります。困難に直面し、ふたりが道に迷ったとき、正しい道に戻る手助けをしてくれるのが妊活マスタープランです。そう、北極星のように。
妊活マスタープランの作り方を説明する前に、妊活マスタープランがなぜ重要なのかについてお話します。
♥未来から逆算して考える「未来学」という考え方
妊活マスタープランには、基になっている2つの理論があります。その1つが「未来学」です。
私たちが未来について考えるとき、現状を基準にする傾向があります。例えば、スマートフォンがこれからどう進化するかとか、地球の温暖化がこれからどう進んでいくかといった具合です。未来は、現状からどう変化するかという尺度で表現されます。
未来学では、逆に「望ましい未来」のことを先に考えます。望ましい未来とは、将来はこうあるべきとか、こうなったらいいなという理想の世界のことです。望ましい未来には、現在はまだ存在しないものが沢山あります。この未来と現在のギャップを埋めることができれば、理想の世界は実現します。このように、未来学では、私たちに必要なものや行動を未来から逆算して考えます。
これから妊活を始めるみなさんに考えて欲しいのは、ふたりが理想とする家庭のことです。妊活トピックスでは、これを「妊活マスタープラン」と呼んでいます。10年後、あなたはどんな家庭で暮らしていますか? 妊活をスタートする前に妊活マスタープランを作っておくと、出産のタイミング、必要な世帯収入や貯蓄、住居などはそこから逆算して計画できるようになります。
♥脳科学から考える「妊活マスタープラン」の重要性
妊活マスタープランを支えるもう1つの理論は、脳科学に由来します。
人間の脳には、網様体賦活系(以下RASという, Reticular Activating System)と呼ばれる場所があります。RASは情報フィルターとして、私たちが知覚した膨大な情報の中から必要な情報だけを脳内に伝える働きをします。
例えば、周囲に雑音があっても自分の名前は聞き取ることができます。これはRASの働きによるものです。SUVを買おうか迷っている人は、街中でもSUVが目につくはずです。化粧に興味がある人は、ふと気づくと他人の化粧を細かくチェックしています。同じ化粧品が欲しくなり、そのテクニックを試したくなります。興味あることには、自分でも驚くほどの集中力や行動力を発揮します。
このようなRASの働きは、自分が望む未来を実現するために既に利用されています。RASの利用法はとても簡単で、自分が願望を達成した場面を繰り返しイメージするだけです。スポーツ選手が行うイメージトレーニングが、まさにその作業です。スポーツ選手は、自分の願望が達成した場面を繰り返しイメージします。現実と区別がつかない程にイメージを深めることで、脳を騙しているのです。そのイメージは、達成感や喜びの感情と共にRASにプログラムされます。RASにプログラムされたイメージは、そのアスリートが理想実現に向かって歩み続ける原動力になります。
体の中で子を育む女性とは異なり、男性は妊娠から出産までの間に妊活へのモチベーションが低下する時期があるかもしれません。さらにその時期が長引くと、産後クライシスのような夫婦間の問題に発展する可能性もあります。そうならないために、ふたりで妊活マスタープランを作り、妊娠や出産はふたりのゴールでなく、理想の家庭を実現するための通過点であると認識することが大切です。
ヒント
話し合うときは、隣り合う形で座ります。対面した形で座るよりも話しやすくなります。
参考文献
アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ(2017)『自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』市中芳江訳, サンマーク出版.
子どもを望むカップルの多くが、妊活の悩みを経験します。困難に直面し、焦りや不安を感じたとき、ふたりが立ち返ることができる原点が必要です。妊活では、ふたりの理想の家庭像がその原点になります。私たちは、それを「妊活マスタープラン」と呼びます。妊活マスタープランは、未来学と脳科学の2つの考え方を基礎にしています。妊活マスタープランを作ることで、妊娠や出産はふたりのゴールでなく、理想の家庭を実現するための通過点であると認識することが大切です。
(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)
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妊活トピックス「妊娠のその先を考える、
妊活マスタープランを立てよう(1)」では、
妊活マスタープランを立てる
重要性について説明しました。
今回は、いよいよ妊活マスタープランを
作る手順について詳しくお話します。
妊活マスタープランを作る目的は、夫婦ふたりが別々に持っている家庭像を統合し、ひとつにすることです。妊活をスタートする前に、以下の手順に従って妊活マスタープランを準備しましょう。
手順(1)ふたりが築きたいと考える家庭のイメージを書きだす
出産や子育ての話を切り出すのに、恥ずかしさや気まずさがあるかもしれません。でも勇気を出して、これから築いていく家庭について話し合ってみましょう。あまり遠い将来は想像しにくいので、10年くらい先を目安にイメージしてみてください。
話し合う内容は、難しく考える必要はありません。子どもは何人ほしいか、何を習わせたいか、どこに住みたいかなど、何気ない会話からスタートしましょう。このとき出た意見は、メモに残しておいてください。参考のため、以下に幾つかの質問を挙げておきます。その他にも、ふたりにとって大切だと思うことについて自由に話し合ってください。
ヒント
ここでは相手の意見を評価しないでください。そのまま肯定的に聴いてあげましょう。本心を話しにくくなるので、否定や批判の言葉はNGです。リラックスした雰囲気をつくり、素直な気持ちを引き出すようにします。
手順(2)意見をまとめ、方向性を統一する
先ほど取ったメモを基に、ふたりの意見をまとめます。夫婦だからと言って、すべての意見が一致するとは限りません。意見が合わない点については、焦らずにじっくり話し合うことが大切です。パートナーを説得するのではなく、ふたりが納得できる解決案を探しましょう。
手順(3)妊活マスタープランを変更するときの条件を加えておく
ヒトの妊娠・出産には多くの関門があり、すべての条件を満たさなければ妊娠・出産できないようになっています。ですから、妊活がうまくいかなかったときのことを想定し、事前に対応の仕方を準備します。参考のため、以下に幾つかの質問を挙げておきます。ふたりにとって大切だと思う条件について話し合ってください。
手順(4)まとまった意見を手書きの箇条書きリストにする
ふたりの意見がまとまったら、それを手書きの箇条書きリストにします。このリストがふたりの「妊活マスタープラン」です。手書きで作成するのは、脳に刺激を与え記憶に残りやすくするためです。面倒がらずに、手書きのリストを作りましょう。以下にテンプレートと記入例を用意しました。必要に応じて活用してください。但し、商用には使用しないでください。
手順(5)理想の家庭像を繰り返しイメージして脳にプログラムする
妊活マスタープランは、ふたりの当面の目標になります。妊活マスタープランを手帳や壁などに貼り付け、いつでも眺められるようにします。就寝前や起床後に、妊活マスタープランが実現した様子をイメージします。これを毎日繰り返し、ふたりの脳に妊活マスタープランをプログラムしてください。
手順(6)必要と感じたら、プランを修正する
実際に妊活をスタートしてみると、予想もしていなかったことが起こります。手順3で考えた条件以外にも、プラン変更が必要になるときは必ずやってきます。不安に感じたときは、ふたりで話し合いましょう。その結果を基に、プランをアップデートしてください。妊活マスタープランはふたりの目標であることを思い出し、決してひとりで悩んだりしないでください。
2回に分けて妊活マスタープランについて説明しました。妊活マスタープランが、想像よりも単純だったので驚いたかもしれません。しかし7割のカップルが、このような簡単な話し合いもしないまま結婚しています。ふたりが同じ目標を持って妊活をスタートすることが大切です。妊娠はふたりのゴールではありません。妊活マスタープランをうまく活用し、理想の家庭が実現するようふたりで歩んでください。
(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)
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