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妊活準備を始めよう!妊活初心者さんのための妊活コラム

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妊活コラム

2024.03.25

妊娠のその先を考える、妊活マスタープランを立てよう(1)

子どもを望むカップルの多くが、妊活の悩みを経験します。
妊娠できない焦りや不安、金銭的負担、パートナーの協力が得られない孤独感など、困難に直面したとき、解決策を考える上で基本になるのが「妊活マスタープラン」です。
なぜ妊活マスタープランが必要なのか。
先ずはその重要性を理解しておきましょう。

「妊活マスタープラン」という道しるべ

中国で羅針盤が発明されるまでは、夜に方位を知る手がかりは北極星でした。北極星は地球の自転軸の延長上にあるので、いつも真北あって動きません。北極星を見つけることができれば、自分の目的地がどの方向にあるのかを知ることができました。

何かを成し遂げるには、目的が必要です。妊活の目的は、ふたりが理想とする家庭を実現することです。妊活トピックスでは、ふたりが理想とする家庭像のことを「妊活マスタープラン」と呼びます。妊活では、なかなか妊娠しない焦りや不安、金銭的な負担、孤独感など、予想もしなかった問題が起こります。困難に直面し、ふたりが道に迷ったとき、正しい道に戻る手助けをしてくれるのが妊活マスタープランです。そう、北極星のように。

妊活マスタープランをサポートする2つの理論

妊活マスタープランの作り方を説明する前に、妊活マスタープランがなぜ重要なのかについてお話します。

未来から逆算して考える「未来学」という考え方
妊活マスタープランには、基になっている2つの理論があります。その1つが「未来学」です。

私たちが未来について考えるとき、現状を基準にする傾向があります。例えば、スマートフォンがこれからどう進化するかとか、地球の温暖化がこれからどう進んでいくかといった具合です。未来は、現状からどう変化するかという尺度で表現されます。

未来学では、逆に「望ましい未来」のことを先に考えます。望ましい未来とは、将来はこうあるべきとか、こうなったらいいなという理想の世界のことです。望ましい未来には、現在はまだ存在しないものが沢山あります。この未来と現在のギャップを埋めることができれば、理想の世界は実現します。このように、未来学では、私たちに必要なものや行動を未来から逆算して考えます。



これから妊活を始めるみなさんに考えて欲しいのは、ふたりが理想とする家庭のことです。妊活トピックスでは、これを「妊活マスタープラン」と呼んでいます。10年後、あなたはどんな家庭で暮らしていますか? 妊活をスタートする前に妊活マスタープランを作っておくと、出産のタイミング、必要な世帯収入や貯蓄、住居などはそこから逆算して計画できるようになります。

脳科学から考える「妊活マスタープラン」の重要性
妊活マスタープランを支えるもう1つの理論は、脳科学に由来します。

人間の脳には、網様体賦活系(以下RASという, Reticular Activating System)と呼ばれる場所があります。RASは情報フィルターとして、私たちが知覚した膨大な情報の中から必要な情報だけを脳内に伝える働きをします。

例えば、周囲に雑音があっても自分の名前は聞き取ることができます。これはRASの働きによるものです。SUVを買おうか迷っている人は、街中でもSUVが目につくはずです。化粧に興味がある人は、ふと気づくと他人の化粧を細かくチェックしています。同じ化粧品が欲しくなり、そのテクニックを試したくなります。興味あることには、自分でも驚くほどの集中力や行動力を発揮します。

このようなRASの働きは、自分が望む未来を実現するために既に利用されています。RASの利用法はとても簡単で、自分が願望を達成した場面を繰り返しイメージするだけです。スポーツ選手が行うイメージトレーニングが、まさにその作業です。スポーツ選手は、自分の願望が達成した場面を繰り返しイメージします。現実と区別がつかない程にイメージを深めることで、脳を騙しているのです。そのイメージは、達成感や喜びの感情と共にRASにプログラムされます。RASにプログラムされたイメージは、そのアスリートが理想実現に向かって歩み続ける原動力になります。

体の中で子を育む女性とは異なり、男性は妊娠から出産までの間に妊活へのモチベーションが低下する時期があるかもしれません。さらにその時期が長引くと、産後クライシスのような夫婦間の問題に発展する可能性もあります。そうならないために、ふたりで妊活マスタープランを作り、妊娠や出産はふたりのゴールでなく、理想の家庭を実現するための通過点であると認識することが大切です。

ヒント
話し合うときは、隣り合う形で座ります。対面した形で座るよりも話しやすくなります。


参考文献
アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ(2017)『自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』市中芳江訳, サンマーク出版.

まとめ

子どもを望むカップルの多くが、妊活の悩みを経験します。困難に直面し、焦りや不安を感じたとき、ふたりが立ち返ることができる原点が必要です。妊活では、ふたりの理想の家庭像がその原点になります。私たちは、それを「妊活マスタープラン」と呼びます。妊活マスタープランは、未来学と脳科学の2つの考え方を基礎にしています。妊活マスタープランを作ることで、妊娠や出産はふたりのゴールでなく、理想の家庭を実現するための通過点であると認識することが大切です。

(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)