妊活とは、「妊娠のための活動」を略した造語です。2011年には流行語にもなりました。
しかし、その活動の範囲はあいまいです。
病院で妊娠が確認されるまでを妊活と呼ぶ人もいれば、出産までを含める人もいます。
パートナーとの認識の相違は、妊娠、出産、さらに子育てへのかかわり方の違いとなって現れます。
「こんなはずではなかった」と後悔する前に、勇気を出してふたりの将来を話し合い、これから築いていく家庭像を共有しましょう。
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妊活コラム
2024.03.25
妊活とは、「妊娠のための活動」を略した造語です。2011年には流行語にもなりました。
しかし、その活動の範囲はあいまいです。
病院で妊娠が確認されるまでを妊活と呼ぶ人もいれば、出産までを含める人もいます。
パートナーとの認識の相違は、妊娠、出産、さらに子育てへのかかわり方の違いとなって現れます。
「こんなはずではなかった」と後悔する前に、勇気を出してふたりの将来を話し合い、これから築いていく家庭像を共有しましょう。
バイエル製薬(株)が2017年に発表した「結婚を視野に入れた女性の妊活・妊娠に関する意識調査」によると、女性の約8割は結婚する前にパートナーに将来子どもを持つ意志があるか確認しています。しかし、子どもの人数、授かるタイミングといった将来の家庭像まで話し合ったカップルは全体の3割だけです。7割のカップルは、お互いが持っている家庭像を確認しないまま結婚しています。
参考文献: バイエル製薬株式会社. 結婚を視野に入れた女性の妊活・妊娠に関する意識調査:教育アンケート年鑑2017. 東京, 創育社, 2017, p.295-298.
パートナーに子どもを持ちたいという意思があっても、それは今でないかもしれません。教育や習い事に対する考え方が違えば、お金や時間の使い方も変わってきます。最初は小さな方向性の違いかもしれません。しかし時間の経過とともに、それが大きな問題に発展することもあります。
大切な決定をするとき、「パートナーは他人」と考えるべきです。たとえ夫婦であっても、ふたりが同じ考え方、感じ方をしているとは限りません。出産や子育ては、人生の中でも重大な決断の1つです。ですから、パートナーが出産や子育てについて自分と同じ意見を持っているという思い込みはやめましょう。
■難しく考えず、何気ない会話から
パートナーに出産や子育ての話を切り出すとき、誰にも恥ずかしさや気まずさがあります。しかし勇気を出して、ふたりの将来について話してみましょう。話し合う目的は、これからふたりが築いていく家庭像を同じにし、共有することです。難しく考える必要はありません。例えば、以下のような質問からスタートしてみてください。メモを取りながら、ワクワクするふたりの未来を想像してみましょう。
♥子どもは何人欲しいか?
♥子どもは何年後に欲しいか?
♥子どもに習わせたいことはあるか?
♥どんな大人になって欲しいか?
♥どんな職業について欲しいか?
♥その頃の世帯収入はどのくらい欲しいか?
♥どこに住みたいか? など
ヒント 話し合うときは、隣り合う形で座ります。対面した形で座るよりも話しやすくなります。
■話し合った結果は「妊活マスタープラン」としてまとめよう
会話が進むにつれ、お互いが築きたいと思っている家庭のイメージが明らかになります。話し合いの中では、意見が一致する点も、一致しない点も出てきます。すぐに結論が出なくても、焦らずに納得できるまで話し合いましょう。内容がまとまったら、それを箇条書きのリストにします。リスト作りは手書きで行います。この手書きのリストがふたりの「妊活マスタープラン」、すなわち妊活のゴールになります。妊活マスタープランを作っておくことで、夫婦がひとつの目標に向かうことができます。特に男性にとっては出産や育児に関わる動機となり、モチベーションを保ちやすくなります。
■秘訣は最初のプランにこだわりすぎないこと
妊活マスタープランの内容はいつでも変更できます。実際に妊活を始めてみると、それまで知らなかったことや予想もしていなかったことが起こります。例えば、病気の発見や不妊治療の選択です。家庭でも仕事でも、初めて作ったプランはうまくいかないものです。必要と感じたら、状況に合わせてプランをアップデートしましょう。ただし、ふたりで話し合うことをお忘れなく!
7割のカップルは、お互いが考える家庭像を確認しないまま結婚しています。出産や子育てについて話し合うことに、恥ずかしさや気まずさを感じるかもしれません。でも勇気を出して、ふたりの将来のことを話し合いましょう。
(文:山中 千秋 / 妊活コーディネーター)